ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

最近のSEOマーケットは

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前に、

SEOマーケット概観(盲説編)
http://d.hatena.ne.jp/asotetsu/20080624

こういうのを書いて、とりあえずSEOは成長期後半だよ、みたいな話を書きましたが。

最近、SEO業者からの連日の電話攻勢はどうですか? なんか少なくなってませんか? なんか減ってきてるみたいなんですよね。まあ、ウチはテレマやんないので、お客さんから話を聞く情報からなんですけど。

思うに、思ったほど顧客獲得できないってのがあるんじゃないですか。テレアポでうまく顧客が取れなくなって3ヶ月くらい経つと縮小とか撤退を考える必要が出てきますからね。テレアポとかああいう攻め型の営業は強いようでいて、受注が取れなくなると経費的にもキツいし、士気もキープできなくなるんですよね。守りは難しい。

SEOって、参入障壁は低いし直接原価は低いので利益率は高く見えるんです。だから、参入が急増したのが2007年かなあというのが印象でありまして。最初は顧客が結構獲得できたと思うんです。というのも、SEOのユーザ層って、すごく熱心な層5%の方たちがいて、そういう層から獲得できるから。

ところが、そっから先が意外に難しい。SEOはウェブ持ってるところすべてお客さんのはず、という理屈はあるものの、実際のところ、そこまで熱心でないお客さんがほとんどなんですよね。SEOを意識したほうがいいところもまだあるので、そういうお客さんにどうやって必要性とか、自力である程度やることを伝えていくかというのがボクらの課題なんですけど、短期的に注文とりたい業者だと、○位にします!みたいな営業になってしまいますね。でも、それだとあんまりSEOの良さは伝わらない。それなら、先にリスティングを自力で月5〜10万円くらいやってみてリテラシー磨いたほうがいいというか。

そんなわけで思ったほど、最初のときのようにお客さんが獲得できなくて予想外れたケースがあるんじゃないかなと。ウチは厳しくなっても少人員でやってるのでやれていたりしますが。

あと。Yahoo!でスゴク上がるって言ってたところがいくつか対策されてしまったみたいですね。まあ、ボクらからすると毎度のことですけど。

Yahoo!は、穴が多くて、抜け穴を突くような形でYahoo!向けSEOというのが登場するんですよね。そういうときは必ずYahoo!でスゴク上がることを売りにしてるので分かります。ところが、Yahoo!もアホじゃないので、半年とか一年くらいすると対策を打ってくるんですよね。だから、そういう特殊なYahoo!対策は順位が元に戻ります。こういうのをこの何年か繰り返しているのがYahoo!SEOの世界です。Googleもあるんですけど、日本の場合Yahoo!向けが目立ちます。


そんなこんなで、意外にSEOビジネスも大変だなというのが実感なのかなと思ったりします。


それから、1位にすることを売りにするところって、割合とリスキーな方法でやるんですけど、もう一つ難点があって、お客さんと1位になったあと、どう付き合っていくかっていうところですね。それはボクらも結構課題です。やることがいろいろある間はいいんですが、とりあえずメインキーワードで1位とは言わなくてもトップランクになってしまったとき以降の付き合いは難しいなあと思いますね。なんかやってないと下がってくるんですけど、しばらくは維持してるだけでいいし、でも、いつか下がったりするし、いつ下がるかは分からないし。そもそも順位だけでいいの?というのは本質的な問題でもあります。


そういうわけで、新規に参入したSEO業者さんからすると、意外に壁に当たった感があるんじゃないかなあと思っています。


ウチもいろいろ考えてます。まずは考えているのは、順位は上がったほうがいいし、そこらへんにSEO専門業者の意味もあるとは思うんですけど、ただ、上がればいいってものでもないなあと。もっと周辺部を考えないと。そもそもサイトをきちんと更新して情報発信していくというのも、まだ未整備だったりします。昨日はお客さんのところにいってサイトを直してきたりしたくらいで。まあそんなのも含めてネット回りってまだまだ未整備なことだらけという気がします。



ウェブサイトというのはサイト内部にリンク導線があって、ページ間をつないでいるわけで、そのつなぎ方の巧拙が大事だったりします。SEOというのは、サイトの外にあるリンク導線の整備なんですね。

人が検索する段階に入ったところから、ウェブサイトに入ってくるまでの導線を引っ張る役割なので、そこをまずはスムースに引いてあげる必要があります。ここのところが「引かれてなかった」から、SEOの必要性が高かったのです。もちろん、今でもそこにきちんと線が引いていないサイトがまだあるので、SEOの必要性はあるのですが、次は検索するところ、か、サイトに引っ張ってきてからを考える必要があるなと。

SEOは何か欲しくなった後、検索したときに目的のサイトにスムーズに検索結果からリンク導線を引く技術ですが、欲しくなる部分で何か出来ないかな、と。まさに広告の役割のところですけど、マス広告だけがもはや広告ではないでしょう。ああ、こんなのもあるんだ!って思える発見の仕掛けが出来ないかなと思ったり、サイトに来て、さらにそういう発見という経験が出来ないかなと思ったりしています。


たぶん、これからは、個人が発する他人の言葉や評判に物凄く左右される時代が来つつあると思うんです。テレビでやってた、というのが時代を作っていたのが20世紀後半とすれば、タイミングの良い2chのスレとか増田の匿名の人生記が思った以上に人に影響を与えてしまう、雪崩現象を起こしてしまうように思えます。そういう雪崩的な個人発信のトレンドの時代で、今までと違うトレンドの起点ってあるように思えるんです。空気読め、というのもそういうトレンドの象徴に思えるんですね。



そのあたりを研究しつつ、SEOは普及に努めつつ、なんとかやってます。



written by asotetsu Aug 26, 2008