ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

SEO屋からみると、検索エンジンの質の低下はそんなに問題じゃないっていうか

ブログ執筆中さんのところで話が展開してます

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検索エンジンの質の低下は我々のせいである
http://d.hatena.ne.jp/tomity/20080310/1205116046

ポイントとしては良い論点なので是非読んでいただきたいんですけども、SEO屋観点からいうと、いくつか付け加えたいなと思った次第でありマス。


まず書いておくと、nofollowをせっせと使うのは善です。nofollowに限らずmicroformatsを使うのは善だと思います。だから、サイト制作の方々に啓蒙していくというのはすごく良いコトだと思いマス。


ただ、現実問題の解決策として有効か?となると、いろいろ問題あるなー、と。


検索エンジンの質の低下は起きているか?


検索エンジンの質の低下は我々のせいである、ってそんなに自虐になることもないと思うのですヨ。


ちょうどボクらは仕事の上で検索することが多いのですが、そういう経験から極めて感覚的なお話をすると、検索の質は、(どう比較するんだ?という問題はさておき)、むしろ良くなってますヨ。


ただし、言えるのは、SEO的に有利なサイトがこの1〜2年でものすごく増えたってコト。


検索をすると、想定してるたどり着きたいサイトの前に、SEOを行ってるサイトがワンサと出てきて、質の低下という感覚なんじゃないカナ〜と夢想します。ネットで見てると、自分の望んでないサイトが出てくるダケで、検索の質が〜、とかいうヒトがいますからネ。


検索エンジン側もかなり進歩してます。nofollowがなくても、ヘンなアフィリエイターさんのサイトは検索結果にかなり出てきにくくなってますよネ。その数自体は、統計はないんですが激増してると思いますけど、検索エンジンは、かなり押さえ込んでますヨ。


検索の質を上げるのは、第一には検索エンジンさんのお仕事


それに、検索の質については、検索エンジンの代表格のグーグルを中心にお話しますけど、グーグルはグーグルでなんとかやりますヨ。


ボクらは協力するにやぶさかではないけど、かといって、協力しなければならないってもんでもないと思いマス。


グーグルの検索精度を上げてあげるために協力する。それは善ですヨ。ボクらも協力してます。


でも、協力しなければならないとすると疑問なんですネ。


彼らのビジネスは、検索精度の高い無料のオーガニックサーチをエサとしてユーザを引き寄せて、検索連動広告で年60億ドルくらい売り上げるわけでしょ? 彼らはそんなにひ弱じゃないのデス。



リンクにrel="nofollow"属性つけることについて


GoogleMatt Cuttsさんが rel="nofollow"について述べてますけど。
http://www.mattcutts.com/blog/quick-comment-on-nofollow/


nofollowをつけることで、検索エンジンにリンクを保証しないことを教えてあげるわけです。使い方としては、単にリンクを得たいだけの、commentスパムとか、trackbackスパムに良いと。


まあ、そのあたりは良いんですけどネ。でも、nofollowつける線引きはグレーなんですヨ。


たとえば、相互リンク頼まれたときにnofollowつけます? 


義理でつけるならnofollowつけたほうがよさそうデス(笑)。でも、そんなことしたら相互リンクの意味なんてなくなりますよネ。あれは、基本的にリンクビルディングのために行う古典的手法ですから。


また、たとえば、サイトで収益化するのに、トップページに広告枠を作って販売するというのもあります。そのリンクにnofollowつけるべきか否か。


広告のリンクで、おカネもらってるから、グーグルに従えばnofollowつけるべきとなるし、バレたらグーグルから恣意的にそのサイトのページランク落とされたりなんてこともありうる。ところが、nofollowにしたら、結構多くのそういうリンクは広告価値を失ったりしますよネ。


だから、Microformatsを活用するのは善ですけど、グーグルが宣伝のリンクにはnofollowつけるべし、とか、リンクを販売しているサイトのページランクを落とすとか言うのになると、善意と傲慢のグレーゾーンに入ると思いマス。


そもそもボクらはグーグルのためだけにリンクしてるわけでもないですから。これを忘れてほしくないんですヨ。


もともとは、グーグルがボクらのリンクをうまい具合にサイトの評価とかランキングに活用したダケの話です。そこに蜜月関係があったことは認めますけど、グーグルとサイト運営者の利害が必ずしも一致しなくなってきている現段階ではちょっと違う考え方も必要かなとSEO屋からは思う次第でアリマスヨ。


ボクらが、グーグルの勝手に定めたリンクの評価基準に合わせて行動を指図されるってのも、なんとなく本末転倒って感じがしマス。結果的にリンク集めに奔走するヒトと表裏ですヨ。



検索の上位に行きたいという切実なニーズと、nofollow


現実問題として、検索結果の上位に行きたいというのは、アフィリエイターだけではなくて、まともな大企業サイトも必要としてるんですネ。


そういうときに、nofollowのリンクはSEO的に意味がなくて、そんなことしないでリンクされたほうが有利となると、リンクにnofollowつけるインセンティブが働きにくいという問題もあります。


現在、アメリカでnofollowつけるのが目立つのは、模範的なとこが多いのじゃないですかネ。あとは、グーグルは、ページランク下げるというオドシアドバイスが効きつつあるというのもあるからだろーなーと思いますけども。


サイトは膨大にありますからネ。nofollowつけてないトコは腐るほどあるし、しかも、グーグルはそのほとんどにペナルティ与えてるわけでもない、ってのが実感です(ペナルティするする、というグーグルの口先介入は多いですが)。もちろん一部にはペナルティ与えているわけですけど。




まあ、そんなわけで、総論賛成なんですけど、実際に自分のクライアントに対してとなったら、各論反対な感じかなぁ、と思う次第でありマス。



written by asotetsu March 11, 2008

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