調達の重要性と商社の活用
前回は、商社の機能というのが新聞ですら理解していないことがある、という話でありました。
商社の機能というのは複数ありますが、調達のアウトソーシング機能という点に絞ってみます。
そもそも「調達」とは、の話なんですが、企業の外部から部品や製品やサービスを買ってくるという「調達」というのはキモになっているんですヨ。
調達の強い会社は企業体として強いことが多いです。外部に調達するというのは、自社にない部品、サービスを外部調達先の力を利用していくということなんです。
一社ですべて完結できる時代ではないんです。外部からモノやサービスを買ってきて組み合わせて供給する時代になっているんです。
ところが、悪しき90年代の流通合理化の流行で、間に入る卸や商社を抜いて単なる「中抜き」によるコストダウンをするという発想しかないところも多いんですヨ。
加えて、調達を行う購買側の調達能力が増強されていないところが多いんです。なんといっても、コスト削減する部門なので、自分自身の部門は増強することが出来ないんですね。
本当に自社の製品やサービスを向上させることが出来る部品やサービスを見つけることが出来なかったりして、コストダウンばかりしていると、自社製品の性能が上がらなくなってきます。
そのために、調査が行える調達機能というのが企業には不可欠になっているんです。
昨日と同じことをしていくなら、調達は値引きさせることだけ考えていればいいんです。
でも、明日は今日よりも優れたものを出して行きたい、拡充したいのであれば、それに必要なものを調達してこなければならないのです。
そこで、その調査などを補うということで商社が必要になってくるのです。
商社というのは、その分野で専門的に売買しているので売れ筋を知っているし、最新情報を持っているし、供給元と交渉も出来る存在なんですヨ。つまり、ネットで調べられないコアな情報や最新情報の供給源であり、買い手の意図をうまく伝えて調整してくれるコミュニケーターなんです。これはインターネットの時代でも変わりません。
もちろん、そういうことが出来ない商社もいますヨ。ついていけない商社マンもいますヨ。でもそういうところは淘汰されていきます。
結局のところ、企業の調達部門がそれだけの調査機能を持てばいい話ではありますが、実際は必要な規模より少ない調達部門で行っていて、それを補完しているのが商社なんですよ。昔から日本企業はアウトソーシングしてきたのです。
ここでネットの世界の話に戻りますが、ネットの世界はあまりに流動的でさまざまなサービスが入り乱れています。そのため、本当の意味で、商社的なもの、販売店的なものが必要に思えてならないんです。(まあ、ないこともないんですけど。)
(続きます)
written by asotetsu Dec 2, 2007
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