ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

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検索上位表示の効果は時とともに減ずるのがセオリー

asotetsu2007-11-18


SEOを頑張ると、狙ったキーワードで検索したときに検索結果の上位に出てきます。

そうすると、結構なページビューの増加が期待できます。

ときおり、クライアントのかたから相談で受けることがあります。

現在5位くらいで、「もっと上げたい、1位取りたい」というもの。

1位になったらもっとお客さんが来るんじゃないか?というワケです。


たぶん、そんな劇的な効果はないと思うんですよネ。5位から1位になる場合の経験からは。

おそらくそういう要望が出るというのは、検索しているヒトを取り逃している気になっているというコトなんですナ。

もっと来てもいいハズだ!、と。

しかも、だんだん減ってきた、とか。


でも、検索結果の上位に出た場合のサイトのアクセス数増の効果は時とともに減ずるのですヨ。特に何もしていないとネ。

え? と思われるかたもいらっしゃるでしょうし、それなりのサイト運営されているかたはご存知でしょう。


AISASとか漫然と信じてるとダメですヨ

興味を持って、さあ検索だ、そして申し込み(アクション)なんて、そうはないモデルですヨ。


例えば、「英会話」の場合で考えてみましょうか。

もう廃止されてデータは古いですけども、キーワードアドバイスツールの月間の検索数を見てみましょう。右上の画像ですネ。

「英会話」で検索しているヒトが月に14.3万人もいるんですヨ。すごいですネ。オーバーチュアでこれだけなので、世間全体では、グーグル系の検索を含めれば、これの2倍弱くらいあるって計算が立ちますよネ。

「英会話」で検索したときに上位に出ればすごいと思いますよネ。

もちろん出たら、サイトのpvは急増し、申し込みも増えるでしょう。

でも、だんだんその効果は減じてきます。それが同じ順位であっても。


なぜか分かりますか?


ここで非常に単純化して計算していきます。複数回検索とかロボット分をとりあえず考えない。

日本では月に14.3×2=28.6万人が「英会話」で検索しているとします。

では、検索するようなヒト、英会話学校を探すヒトはどういう規模かというと、

経済産業省 特定サービス産業動態統計調査

ココから、外国語学校のデータで平成18年10月から平成19年9月までの新規生徒数を見ると、22.1万人。

このデータの精度とかカバーしている範囲とか考えるところはあるものの、まあこれくらいの規模と見るとですナ、

約1ヶ月で1年分の新規生徒分を食ってしまうわけですヨ。

全体の人口で見ても、インターネット白書2007のデータを使うことにして、家庭からのブロードバンド利用者数は、4627万人と推計されていますネ。これ多すぎるんだけど(日本全国の老若男女入れた全国民の1/3ですからネ、ありえねー)。

検索するほうを一年で見ると、28.6万人×12ヶ月=343.2万人となって、年ですべての検索が1人1回とすると、1年で日本全国のインターネットのブロードバンド利用者7パーセントをカバーしてしまう


見えてきましたか?

重要なポイントは、検索マーケティングにおいて、

検索エンジンから無限にヒトが湧いてくるワケではないということなのです。

検索は同じ人間が何度も何度もやってきます。ロボット分を除いてもネ。

検索結果の上位にずっと上がっていても、効果はだんだんと減じてくるのです

検索している人たちというのはキーワードごとにクラスタ的なものがある程度出来ているのです。

あなたのサイトは、そういうワードを検索する人たちにほぼ訪問されてしまって、顔なじみになってしまっているのですヨ。


だからといって、上位から脱落したらダメですよ。

検索ユーザが選ぶメニューの中から脱落することになりますからネ。

だからそういう意味でSEOはやめられない。

でも、上にあるだけではダメなのです。



(大事な話なので続きます。)


written by asotetsu Nov 18, 2007

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