ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

通信が発達すると逆にヒトの移動が盛んになる

でも、本当は、PCの画面から、世の中なんて影響を与えられません。
世の中はPCの画面の向こう側にあるんです。
世の中に影響与えようと思ったら、PCの画面の先に行かないと意味がないんです。

と、いう話まで書いたわけですが。


「インターネットを使って、遠くのヒトと協業して、一回も顔を合わせずに仕事しました〜」、なんて記事を読んだことありますよね? 

あれって、おかしくありませんか。

いかにも「インターネット的」な話として書いてあります。

でも、あれこそ、レアケースなんですよね。

インターネットが当たり前にある時代になって、ますます国際間や地域間の今までなかった組み合わせでの協業は増えているとボクは感じています。

検索エンジンなどで、インターネットを通じて、今まで取引のなかった、商品やサービスの供給者とそれを必要としている需要者が、出会って取引を開始するようになっているわけです。

そのおかげでどうなったかというと、ますます人はそういった新しい関係を作り、それゆえに会って打ち合わせする機会が格段に増えたんですよネ。

情報通信が発達すると、ますます、会う必要が出るんであって、会わなくて済むんじゃないんです。

そんなことを1962年に書いてる人がいまして、梅棹さんですネ。慧眼ですよね。


情報の文明学 (文庫) 梅棹 忠夫 (著)
amazon: 978-4122033986


当時は新幹線が開通した頃ですよ。新幹線って人間だけを運ぶ電車でしたからね。新幹線は、人間という情報を運ぶためにある、というようなこと(うろおぼえ)を書かれています。電話とかが発達すると、それだけで伝えきれない情報を伝える必要があるんですネ。人間は情報のカタマリですから。

この本は、今でも通用する部分が多いので、オススメです。



もちろん、昔のビジネスみたいに、やたら営業が御用聞きに会って回るというのは減っているようですネ。だからといって、それをして、会わなくて済むというのとは違うんですナ。

1985年以前のファクス普及前ような、御用聞き営業が、フラ〜っと得意先に行って、ヒアリングして、また、フラ〜っと見積もり書持って行って、また、フラ〜っと注文書貰いに行き、品物をもって納品に伺うみたいなことがなくなったのも事実です。この時代のことはボクもあまり知らないわけですが。

いまどきはフラ〜っとアポも取らずに行くと嫌がられるし、そもそも、見積もりも注文もメールですナ。少なくともFAX。納品も下手すると物流業者になってしまうので、営業の仕事の質も変わってきたのも事実ですネ。今の50歳くらいの営業のベテランが「足で稼げ!」とかいまだに言うのは、1985年以前の営業を若いときに学んでるからですネ。三つ子の魂百まで。ちなみにビジネスでファクスが全盛になったのは1980年代後半ですよ。ファクスDMが流行ったのは1990年代ですね。ホンの20年前のお話です。アポとりが必須になって、ヒトが皆手帳を持ち始めたのも、1985年あたりからですね。システム手帳が流行ったりして。時代はこの30年で劇的に変わったんですネ。


つまり、

通信が発達すると、逆に、ヒトの移動が盛んになる。

というわけです。

だから、PCの画面から世の中に影響を与えようとする試みは不毛ダヨ、という話をなのです。

PC捨てて街に出なければなりませんナ。はは。




written by asotetsu July 3, 2007

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