インタラクティブ人種とテレビ人種の間のキャズム
前に、ネットの世界は何をするにもクリッククリック検索クリックのクリック地獄と書きましたが、その続きでも。
まあこれを「キャズム」といってもいいわけですよ。定義適当だけど。アーリーアダプターと、アーリーマジョリティの間の超えがたい溝(=キャズム)ですナ。
要は、初期市場とメインとなる市場で顧客特性が違うという話です。今ここでは、その違いを「クリック」に求めているわけです。わけです。僕はわけです大好き、なわけです。
こー、なんていうか、探し物とか調べ物大好き人間にとってはインターネットというのは凄い面白いところで、掘っても掘ってもなんか出てくるという凄いところですナ。こうやって、自分の考えをオープンに出来たりするのも面白い。僕も前からあれこれキャンペーン的にサイト立てたり遊んでいましたが。
ところが、世の中の普通のヒトはそんな掘削なんてやりたくないし、でもなんか楽しいことないかナ〜、なんていうわけです。
だから、これからオンデマンドの時代、なーんてこの20年言うてますけど眉唾ですよ。オンデマンドなんて、これはオンデマンド地獄ですわ。選ばなければならんわけですから。最近は新聞すら取らなくなったのに、何見ていいかわかりません。オンデマンドがイイと言ってるのは、自分で独自の番組編成やりたいくらいのマニアです。特にサービスのリリース側に多いわけですが。わけですが!
だから、これからは逆に視聴率的なものが選択の指標として、今まで以上に重要になると思うんですよネ。そういう点でひとつのソリューションがRimoだと思います。マニアがせっせとコンテンツを先に見てレーティングする。そのレーティングを自動システムで番組編成して従来のチャンネルのようなものを生成してしまう。あとからテレビ人種は人気のあるコンテンツをわざわざ選ぶことなく、「お任せ」で見る。それを先に考え付いて見せてる はてなはエライ。
ウェブサイトデザインも変わっていきますよ。常識は変わります。今までは、テキスト多いサイトが情報多くてイイ、とか言われましたけど、これからそこまで多いのはヨクナイ。掘っていけばたくさんあるのはいいけど、トップページにテキストが満載ってこれからは流行らない。
今までのサイトの常識は、インタラクティブ人種相手だったから、彼らは情報を求めていたし、せっかちさんだからトップページにあるのが良かったんですよ。そういう前提条件があったんですナ。ところがこれからはテレビ人種ですからネ。トップページに読みきれないくらい文章がある、てのはヒキます。テキスト読ませるのは、サイトに滞留させて馴染みになってからでいいんですよ。いかにサイトに滞留してもらうかのほうが大事。目的に向かって直線的なインタラクティブ人種じゃないですから。そこまで合目的性はないんです。あえて言えばランダムウォーク。もちろん、つまんなければチャンネルは変えるけど。
だから、サイトのエンゲージメントが必要ってのはそういう話なんですナ。やっぱこういうのはアメリカは進んでますネ。日本はまた追っかけないとイケナイ。日本の今のほとんどのサイトはなんとか出来たところでストップしてますから。これ、まだまだ進化します。コミュニケーションのやり方は終わりなんてないですよ。リアル店舗デザインの変遷を見れば分かりますが、魅力的な店舗はどんどん進化してる。それと同じように、これからもサイトデザインはどんどん進化していきます。止まったらそれまでです。
ほかにも変わりますよ。たぶん、差込であれこれ広告入れるのがかなりオッケーになる。今までのユーザは神経質なまでに嫌がられたわけですが。もちろん、ポップアップはウザいけど、さりげなくバナーがBTでもって最適化された広告入るとか、SitePalみたいなのもイケるよーな気がしますナ。ウィンドウサイズ変えてしまうのはヨクナイけど、さりげなくユーザをサポートするみたいなサービスはイケそうですよ。
だから、今までのウェブの常識というのも変わってきます。なぜなら、顧客層が変わるから。それに合わせてボクらも変わっていかないといけない。ネットとはこういうもんだ、なんてふんぞり返っていては置いていかれます。
ボクらは、今まで相手にしてきた、そして自分自身であるインタラクティブ人種と、これからの主流となるテレビ人種の間のキャズムを越えていかなければいけないんです。
written by asotetsu June 25, 2007
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