ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

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商用ウェブサイトの傾向と検索エンジン活用余地のまとめ

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商用ウェブサイトの傾向と検索エンジン活用余地のまとめ


商用ウェブサイトは検索エンジン活用余地(リスティング広告SEO)の観点から見ると、割合とすっきりしますので、それを書いてみます。独断を多く含みますがボクの整理メモとして。

◆ネットショップ(通販)

 構造はカタログ通販がネットに移行したもの。
 サイトの目的は販売。規模は大手から零細までいろいろ。単品から総合まで。
 市場は飽和気味。検索エンジン対応しているところは既にしている。ただし、サイトが見た目きれいかとか、ソースがきれいかは別問題。検索結果上位サイトでも必ずしもソースがきれいでなかったり、見た目も最新ではなかったりする。
 SEOについては、楽天ショップで成功しているところはSEOをあまり意識していないが、それはそれで成功の一つの方程式。集客を楽天にゆだねているのも一つの優れたやりかた。
 リスティング広告SEOはケースバイケースで効果がある。特に儲かるワードが決まっている系には有効。たとえば、専門ショップ系の商材や、コンプレックス解消系など。ただし、考えられる検索ワードが一般語過ぎたり、商材に特長がないと、リスティング出稿もSEOもそれで効果を出すのが難しくなる。個性が強い専門ショップが有利。○○専門となると、○○を検索ワードにして対策が出来る。
 儲かる検索ワードが決まっていても、客単価が高い商材、利益率が高い商材に関連するワードでは、リスティング広告の出稿単価が高騰しているので採算が合いにくくなっているケースがある。強者なら広告予算を確保して、ビッグワードに対するリスティング広告出稿とSEOの内製と外注を組み合わせる物量作戦。弱者なら、地域やニーズでもニッチを狙ってリスティング広告出稿し、広告費を抑えつつコンバージョンの良い出稿パターンを探すのが無難。
 こういうときは、自分が強者なのか弱者なのかの判断が重要で、強者なのに弱者の戦略を立てようとしたり、弱者なのに強者の戦略を立てようとしたりするケースが結構あるように思われる。参考にしている事例が弱者の成功事例なのか、強者の成功事例なのかの判断が重要。総合なら強者で行くしかないが、単品ならゲリラ的な売り方も有効。
 予算があれば参入余地もいろいろとあるのでいかに適切に広告予算を立てて、ネットで存在感を出していくかではないかと思う。あとは、会員化や、リピーター対策のほうが重要。

◆電話帳業種のサイト

 タウンページで調べるようなビジネスのサイト。例でいうと、不動産屋さん、葬儀屋さん、美容整形、歯科医院、花屋さん、など多種多様。
 目的は来店や問い合わせ獲得。
 この分野は対応地域(商圏)の大きさによって判断する必要がある。

  • 全国対応
  • 広域地域対応 (首都圏、中京、関西などそれぞれ。または県域)
  • 特定駅前などの地場対応 (1〜2店舗など)

 全国対応と、広域地域対応は、検索エンジン対応度が高い。今となっては全国対応なら強者の戦略で行くしかない。リスティング出稿とSEOが必要。ただし競合は多い。予算もかかるので、自社運営ではなく紹介料目当てのネット起業では今からはもはや難しい。
 広域地域対応は少し前まで穴だったが、今は全国対応からシフトしてきていて競合も増えてなかなか難しい。ただ、広域地域内の地域名などの組み合わせワードをリスティング出稿するなど対応方法はある。SEOもやったほうがより良い。ただし、今から初めてSEOだけでトップを目指すのは難度が高い。競争も多いので難度も高く、参入が多いため順位も変動しやすい。やはりここでも自社運営(集客とサービス提供が同じ事業者)だと強い。
 実はこの分野では、特定の駅前の地場でやっているようなところが一番低コストで出来る分野。しかし、個人運営の店が多く、検索エンジン対応していないのでもったいないことが多い。ウェブサイトもないこともまだある。Googleのローカルビジネスセンターに登録したり、細かな施策をセルフでやるとうまく行く。モバイルもやったほうがいい。チラシ数回撒く費用をSEOリスティング広告に投入したほうが良いと思う。やるなら今のうち。

B2B業種で、集客は業界紙や展示会で行っている企業のサイト

 主に産業向けビジネス向けの製品やサービスで、長年の取引先とルート営業が基本。新規獲得は、業界紙に広告したり、展示会に出展したりしている企業のサイト。
 目的は問い合わせ獲得。
 このエリアは検索エンジン対応度は二極分化している。1998〜2000年頃に作成したサイトが多く、検索エンジン対応していないところは会社案内ページ+α程度のところが多い。
 うまく検索エンジンを活用しているサイトはすぐにわかる。もともとの作成自体が2000年頃と古くても、製品やサービスの情報がどんどんサイトにアップロードされていて、サイトのページ数も100p以上と多い。
 検索エンジンに対応していないところはやったほうがいい。このエリアは、見込み顧客と企業が出会う場所が少ないので、展示会出展など割合と高価な広告費がかかる手法に頼らざるを得ないが、年に展示会1回分の出展費をサイト作成とメンテナンスに当ててやれば、引き合いは展示会1回出展するよりも得られる。
 ポイントはサイトを読ませる内容にすること。常に最新版にすること。SEOをちゃんと意識すること。

B2B業種で集客は飛び込み営業であるサイト

 前項に似ているがかなりビジネス構造が違う。オフィスのコーヒー、コピー機、事務用品、保険、自動車リース、電話回線販売など。
 目的は問い合わせ獲得。
 ただし、このエリアは検索エンジン対応進めても、DMや飛び込み営業より効果が出るかは効果微妙である感触がある。
 このエリアでは、新規獲得に熱心なので、ウェブはSEO対応はともかくきれいなサイトを作っていることが多い。
 ただし、もともとビジネスとして訪問により相手の必要性を高めて販売する方法なので、特に検索エンジンを使った集客では、顧客側が自ら欲しくなって検索するのを待つというまどろっこしい方法を取るため、相性がよくない。
 とりあえずネットでの窓口は用意したほうが良い。訪問した先の顧客があとからネットで調べることに対応できる。社名やサービス名で検索して自社サイトが出てくるレベルの対策はしたほうが良い。その先はいろいろと考えなければネットの活用は難しい。

伝統企業、大手企業のサイト

 老舗中堅企業から上場企業まで、伝統企業のサイト。
 目的は会社案内と製品案内。
 検索エンジン対応度はあまりしていないことが多い。また、コーポレートサイトでは、IRのためにあったりするので、検索エンジンに熱心に対応する理由が不明確であることもある。IR目的と求人目的以外では難しいかもしれない。
 このエリアは、本来、コミュニケーションを考えると検索エンジン対応したほうが良いのは確かだが、そこを納得させられるロジックが少ない。そういうわけで、いろいろ考えたり。

ブランドサイト・製品キャンペーンサイト

 ファッションブランドがブランドイメージのために主にFlashを活用して設置しているサイト。ファッション以外でも、新製品のためのサイトでも展開されることがある。
 目的はブランドイメージのウェブ展開。
 検索エンジン対応は普通していない。むしろ逆SEO的な設計が行われることが多い。ブランドイメージを表現するとフルFlashになってしまうのは不思議だが、逆に言うと、HTMLで書くというのは表現としてとても不自由なことと言えるのかもしれない。
 自然検索結果で検索されたいという要望は後から出てくることが多い。どうやら、その企業のトップのかたが検索したときに「ウチのサイトが出てこないのはなぜだ??」という質問を社内にしたときから、検索エンジン対応の必要性が生まれるらしい。
 また、この手のサイトは設置期間も短いこともあり、SEOではなかなか難しい。リスティング広告でとりあえず対応するケースが多いが、自然検索結果にそのキャンペーンを非難するブログが出てきたりすると、また困ったりする。

アフィリエイト

 アフィリエイトによる収入獲得を目指して設置されるサイト。無料ブログサービスを利用しているケースも多い。運営は個人から企業までさまざま。
 目的はサイトへのpv獲得で、購買に繋がれば収益になる。
 検索エンジン対応度は非常に高い。SEOを中心としていることが多いが、リスティング広告も用いているケースがある。リスティング広告を使っているケースは利益率の高い情報商材系が多いようだ。また、リスティング広告を使ってアフィリエイトをやろうという情報商材があって、さらにそれがリスティング広告を使ったアフィリエイトで売られているらしい(ややこしい 笑)。
 asahi.comですら広告だらけであって、広告をアフィリエイトと一緒にしてはいけないが、こういう広告だらけの大手新聞社サイトと、個人の運営によるアフィリエイト目的のサイトとの違いはコンテンツをオリジナルで持っているかどうかの違いだけではないか。ただし、この違いは大きい。検索エンジンもこの点で区別する。

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とりあえずこんなところです。独断がかなりありますが、お役に立てば。


written by asotetsu Mar 30, 2009