タウンワークという「ローカルtoローカル」ソリューション
タウンワークという無料誌があって、地元で働きたい人の仕事情報を載せています。駅とか喫茶店とかに置いてありますよネ。首都圏、近畿圏、東海圏だけではありますが。
これって実はすごいコンセプトなんですよネ。
仕事情報誌というと、今までは首都圏版とか、とにかく結構広い地域をカバーする媒体でしたけど、タウンワークはまさにネーミングからして、地元の町で働きたいヒトに仕事を供給する仕組みになっています。
これはごくローカルの求人情報を地元に流すための仕掛けなんです
いわばごく地元発信のごく地元受信なんですよネ。
従来の雑誌形式の編集と配送だと、そういう緻密な配送が出来なかったんですナ。
新聞の折込チラシで昔からやっている業者はありましたけどネ。新聞の折込チラシは配送を工夫すれば細かく地域指定できますからネ。とはいえ最近の若いコは新聞取らないのでそこにリーチできないという難点があって、タウンワークはそれも解決したのですナ。
だから、雑誌形式の求人情報誌は、広いエリアから吸い上げた情報を広いエリアに流すという形を取らざるを得なかったわけですナ。
言ってみれば、放送(ブロードキャスト)になっていたんですナ。
でも、それは本来望まれていたことではないわけです。
放送(ブロードキャスト)になっていたのは情報の配送上の都合でしかなかったんですヨ。僕らはそれを当たり前として思い込んでましたけど。
結局、ニーズとしては、より狭い範囲に絞り込んだ地元発信の地元受信、があったわけです。
それを情報の配送技術を工夫して、人海戦術で地元に撒くということをリクルートさんは実施しているんですよネ。
ここでネットを使わないリクルートはエライと思うわけです。
ここで展開されているソリューションは、ボクがときどき検索で弱いと書いている、ローカルtoローカル(ごく地元発信→ごく地元受信)、という情報の流れですナ。
リクルートさんはその部分を押さえるために、わざと紙で作って人海戦術で撒いてるわけです。
だから、タウンワークというのは、「ローカルtoローカル」ソリューションなんです。
今の段階では、これをネットでやればいいや!、なんて思うのはマチガイなんですヨ。
そこを確実に理解して、配達部隊を揃えて配送しているリクルートは凄みがあるという話です。
だから、ホットペッパーを駅前で配っているのも、なんとなく、じゃないんですヨ。
あれも、ローカルtoローカルの優れたソリューションなんです。
駅周辺と沿線の情報を駅前で直接人々にリーチするわけですよ。
メディアというものの本質を非常に良くわかっているリクルートならではの手法なんですよ。
そこいらのネット系企業では太刀打ちできません。
ネット系企業なんてインターネットという配送機構にタダ乗りしてるだけなんですから!
つまり、何かと今までのメディアというのは、放送志向(ブロードキャスト志向)が強いんですよネ。
お上の通達を流すというのもあるし、東京とか中心部の発信した情報を流すという今までの歴史もあるんでしょうけど、そういうブロードキャスティングな文化が出来てしまっているんですヨ。
いかに情報を一元的に扱うかというか、いかに雑多な多くの人にリーチするか、というようなネ。
でもそれはこれからの方向じゃないなあと思うのです。もちろんブロードキャストはなくなりはしないですけどネ。
written by asotetsu Aug 09, 2007
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