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アマゾンさんは商品アイテムではロングテールの成功事例だが、客層戦

asotetsu2009-09-13

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アマゾンさんは商品アイテムではロングテールの成功事例だが、客層戦略ではまったく逆でヘッドの成功事例


http://www.amazon.co.jp/

アマゾンさんは、割合とヘビーユーザーを押さえるシカケ多くあるんですが、ヘビーユーザー向けにやってるんですよね。

ここからほとんど推測話なので話を1/3くらいで聞いていただけるとちょうどいいんですが(笑。


アマゾンさんはロングテールの成功事例と言われ、商品アイテムに関してはロングテールでの販売で成功していて、かつ、ロングテールの品揃えが魅力になっています。

でも、お客さんに関して言うと、ロングテールよりヘッド狙いです。

書籍の購買頻度、購入額を縦軸にグラフを取ると、べき分布しているはずです。

書籍の購入は、2割のお客が販売額の8割を買うくらいの法則が働いているのではと。推測ですが。

そこにおいて、アマゾンのお客さんのターゲティングに関しては正確にヘッド狙いなんだと思います。

アマゾンさんはお客さんの客層戦略でいうと、購買額や頻度の低いロングテールを極端に言うと狙っていないと思います。

アマゾンさんが狙っているのは明確にヘッドです。

書籍購入でいうヘビーユーザーであるヘッド部を押さえるためには、書籍特有のロングテールの品揃えを必要とするんです。ゆえのロングテール品揃えです。


逆に言うと、書籍購入の額や頻度の低いロングテールユーザーを押さえるのは、商品アイテムではヘッド部だけで十分だと思うんですよ。つまりベストセラーだけで。それが駅前の小さな書店の成功モデルだったと思うんですね。


アマゾンさんは書籍販売において明確にデカイ売り上げを狙って、それに向かって正確な動作でやっていると思います。


ここらへんの戦略の見通しの良さがスゴイと思っています。



そういう中で、アマゾンさんで昨日あたりから(かな)、本全品11/4まで配送料無料をやってます。


もともとアマゾンは1500円以上から配送料無料になる制度です。これも実のところ採算点としては、1500円かっきりの注文だと赤字になるといわれていますが、日本国内向けの戦略的な送料価格設定だったはずです。

アメリカ本家のアマゾンは国内のフリースーパーシッピングで25ドルからですから、まあ、3千円くらいから、みたいな感じで、日本国内の配送料無料基準の低さは特異だと思います。

アマゾンは、新規のユーザを増やすためや、接触頻度を増やすために、あえてプロモーション費用と割り切って送料を負担しているのでしょう。

アマゾンプライムにすると翌日配送という付加価値をつけつつも年間配送料取るモデルも始めましたが、あれも配送料としては採算合うのか疑問で、やっぱりこちらもヘビーユーザーの囲い込み狙いなんだと思います。


で、今回の1ヶ月半くらいの送料無料キャンペーン。


ボクはこれで何を見るかっていうと、競合潰しの策として優秀だし、やることキツいと思いました。

アマゾンは書籍のオンライン販売ではナンバーワンです。

そして、1500円から配送料無料とか、アマゾンプライムで翌日配送とか、競合社はとても敵わないレベルでやっています。

つまり、配送料無料っていうのは今の立場で敢えてやらなくても良いんです。

そこで敢えてやる、というのは、自社の潜在顧客を増やす目的とかいろいろあるでしょうけど、もっとも効果的なのはナンバーツー以下叩きだと思うんですよ。

圧倒的なマーケットリーダーが率先してディスカウントを仕掛けるというのは二番手以降からするとかなりのダメージくらいます。また、精神的にも苦しくなる。

ここらへんの競争戦略の選択の仕方が、徹底してセオリーどおりでやってるみたいなのでコワイなと思いましたヨ。

みんなで業界で仲良くなんて気はないんだなあと。

アマゾンさんはスゴイとつくづく思いました。

まさに書籍流通の黒船と言えましょう。


すごいことが静かに進んでいるんですよネ。



written by asotetsu Sep 13, 2009