ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

SEOに熱心/下手 コンテンツ持ち/なし で分類するサイト4カテゴリ

asotetsu2009-02-19

BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

 SEOの話は、立場が違うとあまりに見えているものが違いすぎて、議論かみ合わないなあというのが最近の感想です。それについて、立場の違いあたりを中心に整理してみたいと思います。3回くらい続きます。


SEOに熱心/下手 コンテンツ持ち/なし で分類するサイト4カテゴリ


 ウェブサイトにはSEOが必要といわれます。コンテンツが大事とも言われます。コンテンツがSEOだという話もあります。このあたりをスッキリと整理してみます。

 最近のグーグルはFlashの中身まで読むようになって、サイトを良く読んでくれるようになってきています。

 他方、過剰にSEOをしているサイトをペナルティ与えたりしています。いったいサイトを取り込んで行きたいのか排除したいのか、疑問に思ったりすることもありますよね。

 検索エンジンの振る舞いは、SEOに熱心/下手 コンテンツ持ち/なし この2軸でサイトを分類して4つのカテゴリで考えるとわかりやすくなると思うのです。

【4つのカテゴリ】

(Aカテゴリ) SEOに熱心で、コンテンツも持っているサイト
(Bカテゴリ) SEOに熱心で独自コンテンツはほとんど無いサイト
(Cカテゴリ) SEO下手ながらコンテンツはあるサイト
(Dカテゴリ) SEO下手でコンテンツもないサイト


 検索エンジンは、そもそも(Aカテゴリ)のSEOは歓迎です。検索しやすくなるよう協力してくれるわけですから。昨今は、検索技術の進歩に伴い、そんなにSEOしてくれなくてもいいよということもあるようですが、本来は歓迎だったわけです。

 加えて、検索エンジンそのものはコンテンツのあるサイトは大好物です。検索エンジン自身はコンテンツを持っていなくて、コンテンツのあるサイトを紹介することでビジネスを成立させているからです。

 ところが、(Bカテゴリ)の台頭に伴い、過剰SEOに対して対策を始めます。それで(Bカテゴリ)はその影響を受けるわけですが、(Aカテゴリ)と(Bカテゴリ)は、することが似ていますから、過剰SEO気味の(Aカテゴリ)サイトで影響を受けるところが出てきます。(Aカテゴリ)のサイトは、SEOをやりすぎて(Bカテゴリ)に看做されないようにすることが大事です。

 検索エンジンが逆に熱心に検索に拾い上げようとしているのは(Cカテゴリ)のサイトです。SEO下手ゆえに今まで検索に引っかからなかったのですが、Flash内部の読み込みや、動的サイトを解析しての読み込み、cgi formに適当にクエリを入れてクロールする、といった半ばおせっかいとも言える検索エンジンからの施策は、すべて(Cカテゴリ)のサイトを拾い上げるために行っていると言って良いと私は思います。なので、それらの手法をうまく使って(Bカテゴリ)のサイトが更なるSEOを目指すと、ペナルティを受けたり、無効化などの対策をされてしまったりするわけです。

 (Dカテゴリ)のサイトについては、検索エンジンも施しようがなく放置されています。何しろ好物のコンテンツがないのですから仕方ありません。


このあたりが概観です。なかなかスッキリと見えてきませんか?


以下で個別にもう少し解説をしてみます。



(Aカテゴリ) SEOに熱心で、コンテンツも持っているサイト

 このカテゴリが理想です。必ずしも皆が出来るわけではないところです。こうしたサイトは見ればすぐ分かります。必ずSEOに理解のある熱心な担当者の方(またはオーナー)がいます。

 コンテンツの質・量がポイントです。コンテンツが少ないと見た目が(Bカテゴリ)に近づいてきます。独自コンテンツの量に比べて、ページ数を増設しすぎたり内部リンク作りすぎたりすると(Bカテゴリ)であるSEOに熱心で独自コンテンツはほとんどないサイトとみなされやすくなります。そうなると、検索エンジンに対策されて評価を引き下げられたりすることがあります。

 このカテゴリのサイトは元々SEOに熱心なのですが、「やり過ぎない」ことが大事です。このタイプのサイトオーナーは更なる対策を求めますが、むしろ、(Bカテゴリ)に見られないように意識しないといかんのです。もちろん、ペナルティ覚悟で焼畑農業式に実験サイトでトライしていくのはアリだと思いますけども。



(Bカテゴリ) SEOに熱心で独自コンテンツはほとんど無いサイト

 検索エンジンが過剰SEOサイトに対して対策を行おうとしているのは、このカテゴリのサイトです。独自コンテンツがほとんどないのに、SEOテクニックを駆使して評価上げをしているサイトを検索エンジンは評価引き下げたいんですね。たとえば、アフィリエイトがメインのサイトはコンテンツ無いという判断をされています。また、情報は無いのにページばかり生成されているサイトもそうですね。他人のコンテンツをコピーしているサイトが検索エンジンに嫌われるのもこのカテゴリに入るためです。

 検索エンジンは、主に(Bカテゴリ)と後述する(Cカテゴリ)の間のバランスを取ろうとしていると考えても良いと私は思います。検索エンジンの実施する過度なSEOに対する対策というのは、主にこうしたサイトを狙って行われます。

 また、検索エンジンによる(Bカテゴリ)への過剰SEOに対する対策は、(Aカテゴリ)にあるSEO過剰気味のサイトも影響を受けます。ウチはコンテンツもあるのに今度のアルゴリズム変更で順位大幅下落した〜、とかいうのはこういうケースです。(Aカテゴリ)の人は、(Bカテゴリ)のサイトに似てこないようにすることがポイントです。


(Cカテゴリ) SEO下手ながらコンテンツはあるサイト

 こうしたサイトを少しでも救い上げたいと思っている傾向が特にグーグルはあります。近年、検索アルゴリズムに改良を加えて、Flashの中身も読み込んでインデクシングしたり、サイト内のCGIによる検索も適当なクエリ放り込んでクロールしたり、サイトマップ登録すればとりあえずインデクシングしてくれたり、動的サイトもそのままで解析してインデクシングしてくれたりするわけです。

 検索エンジン側から歩み寄ってくれているのは、(Cカテゴリ)のサイトを取り込んでいきたいからです。ただ、やっぱりこういうサイトもSEOはある程度やって欲しいなあと思うから、検索エンジンはウェブマスター向けにガイドラインSEOを教えたりするわけです。このカテゴリのサイトは、キチンとSEOに取り組むと目に見えて成果が出ます。

 他方、こうした検索エンジンからの歩み寄りを(Aカテゴリ)や(Bカテゴリ)のようなSEOに熱心なサイトが過度に利用しようとするとペナルティを課されたりすることがあるのはこのためです。



(Dカテゴリ) SEO下手でコンテンツもないサイト

 (Dカテゴリ)のサイトに対しては検索エンジンは無視します。好物のコンテンツがないからです。こうしたサイトがいつの間にか評価されるようになることはまずありえないのです。コンテンツがないというのは、ほとんど会社案内5pくらいのサイトが代表的です。ほとんどFlashで5pというのも良くあります。

 このカテゴリのサイトはSEOに取り組むとしても、先にコンテンツを作る必要があり、なかなかに大変です。SEOコンサルがコンテンツ増やしてくださいというのは、このような状況があるからです。

 コンテンツをほとんど増やせないなら、被リンク構築を主にしてというSEOが多かったのもこのカテゴリだと思います。



SEOに熱心すぎるサイトとそうでないサイトとのバランス

SEO屋やSEO大好きな人は日々研究していますので、自分のクライアントのサイトや自分のサイトが検索でヒットしやすいようにどんどん工夫します。これが、検索エンジンからすると、他のサイトと比べて過度に最適化されてると感じるケースが出てきます。

コンテンツがあるのにSEO下手なために、そうしたサイトが検索結果に出てこず、コンテンツがないのにSEO熱心なサイトが沢山ヒットしてしまうような状況をバランスが悪いと検索エンジンは考えるわけです。これを、「検索結果のレリバンシー(適切さ)」という言葉で代表させていると思います。

何を持って適切というかは私たちからはわかりにくいです。レリバンシーが主観的な概念なのは、検索エンジン側から見て、検索結果のバランスを考えているためだから、というのが私の理解です。サイトオーナーがレリバントである(適切である)と考えてもダメなのです。検索エンジン側から見て、バランスが良いと思うかどうかに左右されます。

前述のSEOに熱心すぎるサイトとそうでないサイトとのバランスを取って、検索結果にコンテンツがあるサイトを多く出すようにしようと検索エンジンはしていると見てよいと思います。これがSEOに対する検索エンジンの対策で、極端なものはペナルティというものになります。また、最近のグーグルは検索技術も上がってきたのでSEOによるアシストをあまり好まなくなってきていますので、それを反映させたウェブマスターガイドラインになってきています。過度のSEOで、検索結果のバランスが崩れるというわけですね。

とはいえ、自分のサイトは検索でヒットさせたいのは自然な感情ですし、クライアントのサイトを検索でヒットさせたいのも自然ですね。どこまでがバランスが悪いと検索エンジンが思うのかというのが線引きで、この線引きは曖昧です。そこで前述のカテゴリに自分はどこに属するかで適切な対応が違ってきます。

前述の(Aカテゴリ)(Bカテゴリ)に属するサイトのようにSEOに熱心なサイトでは「やりすぎない」というのがポイントになってきます。(Bカテゴリ)だと、コンテンツを増やそうというのも課題になります。(Cカテゴリ)に損するサイトでは、もっとSEOを意識しようとなります。(Dカテゴリ)に属するサイトでは、コンテンツもSEOも意識しようとなるわけです。

つまり、前日のカテゴリで言うと、上段のカテゴリと下段のカテゴリではSEOに関してはまったく逆になるのです。ここらへんが混乱のモトの1つだと思います。



written by asotetsu Feb 20, 2009