アマゾンのサイト内検索でレコメンデーションが検索結果が混ざるようになったことについて
前回から時間が空いてしまいましたが今年もよろしくお願いしますね。
シゴトのほうがいろいろ変化ありまして更新できずにおりましたですよ。会社も来週引越しです。
ボクはアマゾンで本を良く買うのですが、アマゾンのサイト内検索(A9というエンジン)が最近変わったなと思ってます。昔からかもしれないですけど、たぶん、変わった、と。
何が違うかというと、たとえば著者名で検索したとき、検索結果の上位は確かにその著者の本になるのですが、その著者の本がそんなに多くない場合、下位の検索結果は、何気にレコメンデーションの内容になってるのです。これをみて「ほぅ」と思いました。うまいな、と。
具体的には、たとえば「ダン・ケネディ」で検索すると、この人はダイレクトマーケティングなどで有名な人ですが、
上位は翻訳本が出るものの、下位は、ジェイ・エイブラハムの「ハイパワー・マーケティング」とか、ジョン・ケーブルズ「ザ・コピーライティング」とか、ダン・ケネディ本を買う人なら買っていそうな本も、普通の顔して検索結果に並んでおります。
これは、書名で検索しても似たような結果が出たりします。
ネット書店は、リアル書店と違って書棚をぶらりと見るというのが出来ないのが致命的な弱点ですけど、こういうところなんかはリコメンデーション機能をうまく使って補強しているなあと感心します。いちいち、関連オススメとか書かないで検索結果に載せるあたりがうまいな、と。
そういえば、グーグルもヤフーもユニバーサル検索というかブレンド検索というか、従来のWeb検索結果にショッピングや画像や動画などの検索結果も混ぜるようになってきていますし、イチイチそれを断らなくなっていますね。
ユーザに○○検索という技術的な問題を意識させず、ユーザにとって利便性ある検索結果を目指しているとしているというか。
とはいえ、「最適化」とか、「利便性向上」というのは、確かにそういう面もありますけど、建前的な言辞でもありますから、深読みすると、検索ユーザをどうやって誘導してやるか、という話でもありますね。ネット的な視聴率であるPVのコントロールというか。
ただ、今まではそういう流れはなかったわけですが、今までは遠慮していたのは、技術的な問題というよりも、作為が見えるとユーザが逃げてしまうというのがあったのではと憶測するわけですけど。
というのも、グーグル登場以前の検索エンジンは、ポータルであり、ユーザ囲い込みを目指していて、その自社サイト内でショッピングなどを取り込もうとか、囲い込みの発想がありましたからね。それに似てるかなあと感じた次第です。
グーグルが検索の世界のメインプレーヤーとして出てきて、ネットの世界がどう変わったかというと、グーグルは広大なネットの世界にユーザを案内して、外にはこんなに良いコンテンツがあるんだよ、と教えてくれた訳ですよね。旧来のポータルによる囲い込みを壊したといいますか。グーグルはコンテンツは作らなかったけど、紹介者として優れていて、それゆえに自サイトに囲い込むというのはなかったですね。しかし、最近はそんなこと言っていられないのかもしれませんネ。自社サービスをいろいろ使ってもらう必要が生まれてきたというところでしょうか。ま、これは憶測です。
ちなみに、ボクらはそれに対してどうするか、と。
検索エンジンさんは検索エンジンさんの狙いや経営方針があってやっていて、それに基づいて検索結果をコントロールしています。
検索結果というのは、検索エンジンさんの意図があります(これだいじ)。
ボクらは、検索エンジンさんのそういう振る舞いを見て動向を見て、そういう検索世界でどうやって適応していくか(生き残るか)について、クライアントさんに提案したりサービス提供したりするのデス。
ボクらが見ているのはクライアントさんですネ。検索エンジンさんのことは観察しているけども、ボクらが見ているのはクライアントさんのサイト。
クライアントのサイトが、検索エンジンさんが作っている検索世界の環境(しばしば検索エンジンさんは環境を変えますが)で、適応して生き残っていくのを手伝うのです。
検索エンジンさんというのは、検索世界をよくすることは考えていても(もちろん彼ら自身の利益を良くすることも考えていますネ)、個々のクライアントさんのサイトのことは特に意識していないから、ボクらのように個々のサイトを考えるプレーヤーの必要性があるわけです。
ただ、なかなかに難しいのは、どんなサイトでも適応できるかというと必ずしもそうでもないわけで、どうすればいいんだという問題は常にあります。模索しながらというのが常です。
written by asotetsu Jan 7, 2009