ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

入門用SEO書籍ガイド

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前回のエントリーが好評だったので、では、入門用のSEO書籍について紹介しておきます。

(目的)
SEOとは何かを知る
SEOの常識テクニックを身につける
×簡単にすごく上がるヒミツのテクニックや儲けのテクニックを知りたい


あくまで「入門用」ですので、マニアのかたは物足りないと思います。ビッグワード向けでは物足りないですが、スモールワードなら効果あるような感じです。

SEOが必要なのは分かったけど最初は何をどの程度知っていればいいの?というときに向く比較的最近の本を下記に紹介(もちろん、下記以外にもSEOと書名につけばほぼ全部買ってます)。ちなみに下記はアフィリエイトではないので(念のため)。


まったくSEOを知らないときにはこちら
「検索順位がみるみるアップする本―必要最小限のSEO知識でホームページを上位に表示!」 信太 明(アウンコンサルティング)著 2005年

検索順位がみるみるアップする本―必要最小限のSEO知識でホームページを上位に表示!

検索順位がみるみるアップする本―必要最小限のSEO知識でホームページを上位に表示!

もはや新刊で手に入らないし2005年の本なので古いんですけど、意外にイイのです。

なにしろ、基本的なことを、極めて分かりやすくたった80ページで図説してるのはコレしかありません。今でもアウンさんの入門向けのSEOセミナーはこれがベースになっているっぽいですネ(受けてきた人から聞いた話)。

こんなの当たり前っていえばそれまでですけど、知らない人にはここまでわかりやすく情報を絞り込んだ本は無いのも事実。

読み返すとHxタグとstrongタグの記述は古いかなあ。とはいえ、こういう記述しているSEO本も多いし、致命的な間違いはないと言えます。キーワード出現率は5%が理想って書いてあって、ここが元かも。5%にこだわる必要はないですよ。たぶん、この本でも「目安」のつもりが数字だけが一人歩きした感じではないですかね。



SEOの教科書的な本が欲しいときにはこちら
「検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書」渡辺 隆広(アイレップ) 著 2008年

検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書

検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書

リニューアルしての登場です。前著は2003年で、ボクも熱心に読みました。ボリュームもアップし、最近のトレンドを押さえ、網羅性を追及してまさに教科書です。

使い方としては、買っておいて、一度ざっと読んで、ときどき調べるのに使えればいいと思います。アマゾンの書評見ると、これでは上がらないとか書いてありますけど、ここに書いてあるのはセオリーなんです。ここに書いてあることはすべて知っていて当然で、そういう意味で知識水準を示してくれたところに価値があるんですね。そもそもSEOのヒミツ?なテクニックが本に載ってるわけがないので(笑)。

ただ、教科書だけに、テクニックを安直に知りたい人には向かないですし、何しろページ数も多いので途中で挫折してしまう人も多いかと。ここは押さえておきましょう的な重要度ランクが各項目につけてあったらよかったかもと思います。



簡単に出来る本が欲しいときにはこちら
「できる100ワザ SEO & SEM 集客も売上もアップするヤフー!・グーグル対策 (できるシリーズ)」大内範行, ジェフ・ルート, 安川洋, 江沢真紀, できるシリーズ編集部 著 2006年

できる100ワザ SEO & SEM 集客も売上もアップするヤフー!・グーグル対策 (できるシリーズ)

できる100ワザ SEO & SEM 集客も売上もアップするヤフー!・グーグル対策 (できるシリーズ)

出版された当時は、とうとうSEOにも、できるシリーズが!とごく一部で話題になった一冊。2006年の本なのでちょっと古くなってますが、カラーの図説がとにかく分かりやすい。

内容は、まだそれほど劣化していないので、SEOでとりあえず簡単に出来ることをやりたい、という人にはすごく向いてます。体系性はないのが欠点ですが、簡単に分かりたい人にはこちらのほうがオススメ。もちろん、ここに書いてあることをやって、ビッグワードで上位に来ない、ってクレームはナシですよ。



ネットショップ系のSEO本が欲しいときにはこちら
「御社のホームページをヤフー!・グーグルで上位表示させる技術」鈴木 将司 著 2007年

御社のホームページをヤフー!・グーグルで上位表示させる技術

御社のホームページをヤフー!・グーグルで上位表示させる技術

SEO といえば、鈴木将司さんの翔泳社から出ている本も有名です。ネットショップ向けにイイ本いろいろ出されてます。「ヤフー!グーグル SEO対策テクニック」という本が有名ですが、2005年刊と古く、良いことが書いてあるものの、内容的に古くなってしまったので(こちらもリニューアルするらしいですので期待)、こちらを。

検索エンジンマーケティング、キーワードの探し方、タグの書き方、サイトの作り方など、SEOに留まらず解説はネットショップ運営全体にわたり、しかもポイントがイイですね。SEOテクニック重点ではないので、物足りないかもしれません。

この本を気に入ったら、同じ鈴木さんの「ホームページの成約率倍増!! 売上・利益アップテクニック」(翔泳社)は、SEOではなくてネットショップ向けですが、良い本です。

また、「コストゼロで集客!究極のSEM対策テクニック」(翔泳社)は、内容的には古くなってしまっていますが、見所は第4章。集客するためのコンテンツを 18タイプに分類してます。これは優れた類型化です。ボクが言いたいのは、この類型に入ってるビジネスを今やるならよほど工夫しないとアカンという話です。2006年の段階で本に出版するレベルで常識化しているわけで、今からネットで無料コンテンツで人を集めますという人はよく読んで、自分の前に数千人が思いついているということに気が付くのに役立つ資料です。

まもなく出るらしい第二版。第一版が、項目立て、図説ととても分かりやすく実践的だったので改訂に期待。

ヤフー!・グーグルSEO対策テクニック 第2版

ヤフー!・グーグルSEO対策テクニック 第2版



いろいろ試したけどよく分からないでいる人にはこちら
「消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ! 」宇都 雅史 著 2007年

消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ!

消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ!

どちらかというと、ネットショップ向けに、従来の対策ではむしろ消される!とショッキングな帯で危機感を煽ります。ちょっと危機感を煽りすぎの気もしますが、SEOに留まらず、ネットショップ系で重要なポイントを押さえていて良い本です。

一番最後に「専門業者が絶対に話さない「裏手口」」として、業界では知られた3手法を公開してます。よく知られた方法なんですが、知らない人には目からウロコでしょう。住宅販売営業テイストですが。

ただ、一箇所述べておくと、分家サイトを作りまくれ、という推奨があるんですが、必ずしも悪い方法じゃありませんが、たぶん素人さんは分家サイト間で相互にリンクしまくってしまうと思うので、それは逆にリスキーではないかなと。ちょっと注意が必要ですね。何事も適度に。アマゾンの感想でも指摘がありますな。



オススメしない本
営業妨害はしたくないので書名は挙げませんが、本で出ているもので、これが最新のテクニック的なものは眉唾で読むことをオススメします。ブログでSEOが流行りとか、コンテンツ自動生成とか。

本に出る時点で業界的には常識のことが本になっているということです。出版される本には特別なテクニックは書いてないのです。

だから、ウェブ制作の人が本を見て、こんなの基本的すぎる、って批判するのは的はずれです。最新の情報は、自分で研究して得るか、最新の研究をしている友達から得るか、それとも何年か進んでいる米国の情報を得るかの3つしかしかないとボクは思っています。英語が役立つというのもそういう理由です。

また、もはやSEOは、奇跡が起こるタグ使いとかないですから(笑)。5年くらい前に、タグを少し変えるだけで順位が大幅に上がるようなミラクルがおきたのは、皆があまりに非SEO的にやっていたからであって、平均点が上がった現在では、SEOを押さえていないことがマイナスになったんですね。だから、まずは平均点に追いつくというのが最初の目標だと思います。

というわけで、本で押さえるのは、自分がとりあえず業界の常識に追いつくための基礎を作るために読むのです。強みを作るのではなくて、弱みの補強です。


あと、今はムック本形式でSEO本も出ていますが、結構情報は玉石混交状態なので、読むと逆に混乱するかなあと思ったりします。最初は一人の著者が統一した考えでまとめてある本を読むことをオススメします。慣れてくれば情報源として取捨選択する感じで。



SEOマニアのための温故知新
「 ネットの中心でゴッゴルと叫ぶ?」井口 稔 , Su‐Jine 著 2005年

ネットの中心でゴッゴルと叫ぶ?

ネットの中心でゴッゴルと叫ぶ?

最後に、マニアも楽しめる本を、ということで。例のSEOコンテストのときの実況レポートです。意外に面白いですよ。当時を知ってる人も知らない人も、SEOの知識がある程度確立していて読むと楽しめるでしょう。当時はこういう風なことが出来たんだなー、とか、この方法はまだ有効だな、とか確認できて良いのです。変わらない部分が見えるのは何気に役立ちます。




written by asotetsu Aug 31, 2008