ワーディングラボ | 検索エンジンとSEOとネット広告のコラム

長く更新していません。はてなブログに移りました。

検索の未来は利用するユーザにかかってる

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検索の未来、なんていうオオゲサな内容について雑文をひとつ。


SEOに関する仕事をしているのですけど、SEOの仕事の意味について考えてみマス。


SEO屋のことを検索エンジンスパム屋と言うヒトもいますネ。


そういうヒトは、少なくとも、検索エンジン最適化(Wikipedia)の項目 を読んでもらえればコトはそう単純ではないと分かってもらえるのではないかと思いマス。たぶん。


それはさておき、ボクで理解しているSEOというのは、必ずクライアントがいます。クライアントサイトと検索エンジンの親和性を高めるのがSEOと言ってもヨイですが、ちとこの表現は生ぬるい。


ボクは、SEOとは、クライアントサイトの提供する情報ページを適切に検索結果に反映させること、と思っていマス。ま、定義はいろいろあるんですけど、いまのところボクにはこれがすっきりします。


時折、SEOに関しては最低限やってそれ以上はやるべきでない的なストイックな方もいらっしゃるようですが、現実問題として、自分が企業サイトの運営を任されていたらそんな悠長なことは言っていられないと思いマス。そこまでパッシブであっては、ビジネスとしてどうか、という話になるわけで、インハウスであろうとアウトソーシングであろうとSEO屋が必要とされるゆえんです。


じゃあ、アクティブにやろうよ、となると、今度は検索エンジンスパムとなる危険が待ち構えています。検索エンジン会社が認めるSEOというのは線引きがとてもグレーなので、どこまでが検索エンジンに対するスパム行為なのか、そうでないのかの判断が、なかなか悩ましいところです。少なくとも、ロクな情報がないページを無理やりに上位表示させる、というのはダメだなというのはあります。それ以外となると、ケースバイケースのことが多くて、検索エンジン会社の外部からは分かりにくいのが現状です。


検索結果の順位を変えるのは検索エンジンスパムじゃないの? → 違いますよネ。たまにこういうピュアなヒトがいらっしゃいますが。たとえば、クライアントサイトのページが、まあまあの情報があったとすると、そのページが上位に表示されても悪くはないでしょう? それなら勝手に上位に表示されるはずだ、と言う人もいますが、それは無邪気に過ぎます。


グーグルの完全性を無邪気に信じている人がいらっしゃいますけど、検索エンジンというのは、いい情報のあるページなら必ず上位に出る、ということはないんですヨ。それは目指しているのであって、ベストエフォートなのデス。


だから、ある検索ワードで検索結果の上位表示を目指すのであれば、検索エンジンが好むようにサイトなどを作ってあげて、ソコソコの情報を置いてあげることになります。ま、これがSEOなんですが、こうすると検索結果の上位に出る確率が上がります。あくまで確率問題。しかも、検索エンジンが好むようにサイト内外を作っておかないとこの確率は下がります。


ボクらは、検索エンジンの評価の仕組みの不完全さも知っているので、それに対して研究したり、あれこれ対策したりするワケです。


実はここまでが話の序の部分で長くなりすぎてしまったのですケド。


それで、これから検索の未来はどうなるのかな〜、と思うわけですが、まず言えるのはウェブページはこれからも増殖しまくるでしょう。等比級数的に増加するとしましょう。


でもインターネット人口はそれほど増えるわけじゃないのデス。ということは、検索総数は、利用機会の増大はあるとしても、ページの増殖スピードほどは増えないでしょう。


つまり、これからは、どんどんページが生産される割に見てもらえるページはどんどん少なくなる、ということだろうな、と。


SEO観点からいうと、パイの奪い合いが激戦化するんだろうな、と。


そういうことを考えていたら、なんかキビシイなあ、と。ネットでビジネスする人たちの参入はずーっと続いていますケド、これからは大変だなあと思えてきます。今までは先行者利得がありましたけど、これからは資本の勝負になるなあと見えてきます。それすらも厳しいかなあと。


でもネ。これはすべて現時点の状況がそのままと仮定しているんですよネ。


現時点において、現時点の検索エンジン会社の技術と、現時点の検索ユーザの使う検索ワード(検索クエリ)と、現時点で提供されている情報ページを前提として、ページは激増し、ユーザは増えないという仮定で考えるからそうなるワケです。


でも、そもそも検索ってのは、そういうパイの奪い合いをさせる場所じゃないんですよネ。


決まったビッグワードがあって、そのビッグワードごとに検索マーケットがある、と仮定して話を進めるから、パイの奪い合いという見え方をするんですネ。


でも、10年後も皆同じキーワードで検索してますかネ? 皆同じものをネットで売ってますかネ? 違うと思いマス。


そもそも検索ってのは、探し物をすることです。


検索ユーザの知りたいことが変化し、検索ワードが変わり、ネットで新しいものを供給する企業が入ってくることによって、検索は変わっていくでしょう。


つまり、今のビッグワードは必ずしも未来のビッグワードとは限らないし、新しいビッグワードや、ミドルクラスのワードが生まれ、それに合わせて情報を供給するウェブページが生まれてくると思います。


同じものばかり検索して、同じものばかり供給しているから、競争は行き詰まり、パイの奪い合いは激化するんですネ。


検索は、利用するユーザにかかってるんですネ。検索する側もそうだし、情報を供給する企業や個人側もそうです。どんどん新しいものを供給し、どんどん新しいものを検索することで、そこに新しい出会いが生まれるのだと思いマス。


検索の未来は利用するユーザにかかってるのだと思いマス。決して検索エンジン会社にかかっているワケじゃないんです。



と、まあ明るい未来でも。てへ。


written by asotetsu April 14, 2008

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