ウェブサイトの魅力 動機付け要因とは何か
さて、前回の続き。
つまり、ユーザビリティというのは衛生要因。不足すると不満を生じるけど、高めてもモチベーションが上がるわけではない。
ユーザビリティが悪ければ、衛生要因が不足するので、不満を生じるわけでサイトに長居しにくくなるし来訪しにくくなるわけですが、ユーザビリティを上げてもサイトの来訪率が上がるわけではないし、そこで長居するわけでもないってコトです。
サイトに長居してもらったり、来訪率を上げるには、動機付け要因を強化しないといけないんですヨ。
と、ここまで来まして、ウェブサイトにおける「動機付け要因」とは何か、という話が今回の主題デス。
「そんなもの、何かゲームとか、他にない情報とか、画像とか動画のようなコンテンツとかに決まってる」、とか思っていませんか? しかも、無料(タダ)で。
マア、それも確かに、動機付け要因ではあります。でも、それだけじゃない。
というか、それだけじゃ動機付け要因をわかっていることにはならないのです。
だって、そういうエサでどこまでユーザを引っ張れますか?
永遠にエサで引っ張るんですか?
そんなこと無理ですよね。しかも、そういう必要もないんですヨ。
実は、クリックというのは人生の選択に似ています。
ヒトは、心地良くなる方向にだけ歩いていくかというとそんなことはないんです。
ヒトは心地良くならない方向、ちょっと先が見えない冒険もしたいんですヨ。
つまりネ。ヒトは、心地良さだけだと苦痛になるんデス。変化がないですからネ。
そして、ヒトは冒険による非安定の状態が、未来を進んでいることって知っているのデス。
次は、冒険を、危険を選びます。
そして、さらに次は安定を求め、心地良さを求めます。
これを繰り返すんです。
安定と非安定を繰り返すのがヒトの人生で、クリックも同じなんですヨ。
抽象的なので、もう少し具体的にはどうか?というと、
検索というのは、非安定側なんです。
何かを探しているわけで、不足しているわけで、非安定状態なわけです。
そういうときに、検索結果でクリックするのはどういうところかというと、安定を与えてくれそうなところ、答えを与えてくれそうなところデス。
だから、タイトルやスニペットには、提供物をオファーしておかないとアカンのです。
そして、クリック(道を選んで人生を選択)する。
その場合は行った先(ランディングページ)は、答えでなければならないし、安定を与えてくれないとダメなんです。
そうでないと分かると、すぐ検索結果に戻ります(直帰)。
ここで、適したページを見つけると、答えを得て、安定を得ます。
すると、不思議なことに、さらに冒険をしたくなり、不安定を求めるのがヒトなんです。
だから、次には、ヒトを不安にさせるアンカーテキストや画像をクリックするんです。
そのとき、ヒトはワクワクします。不安定は新しい展開を期待させますからネ。
だから、クリックさせるのに無料のコンテンツだけがクリックを誘うものではないのですヨ。
そして、行った先は、ヒトを不安に陥れるものでないといけません。これ持ってないのは時代遅れ、くらいのものとかね。
すると、次に、その不安定を解決することを暗示するアンカーテキストが見つかるわけです。購入とかね。
そして、クリックして購入し、安定を得るわけです。
ヒトは常にこうして安定と非安定の間を繰り返すわけです。
何か無料でオファーし続けなくてもいいんですヨ。
動議付け要因とは、安定状態には非安定という冒険をオファー(アンカーテキストで誘う)し、非安定状態にはそれを解決する策をオファーして安定状態に導いていくことが、クリックの動機付けになるとボクは思っているのですヨ。
そういうオファーを組み上げてあるサイトが魅力があるんですヨ。
written by asotetsu Nov 15, 2007
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