時間を快適に過ごさせるのもエンタテイメント、という考えかた
コミックエッセイ劇場というサイトがあって、運営はメディアファクトリーさんで、プロの作家さんのコミックエッセイを無料で公開しています。
ホノボノといいますか、雰囲気いいです。
派手さはなくて地味なんですが、静かに面白いので読んで欲しいのですけども。
こういう立ち読み型のサイトって今まであまり成功した例は聞かなくて、ネットとリアルを結びつけるのは難しいなあと思うところではあるのですが、それをひとまず置くと、サイトコンテンツがいいなあと思うのですヨ。
とにかく、プロの書き物は読んで楽しいし不快さがない、と。
ここのコンテンツは、エンタテイメントとしては派手ではないんです。決して派手ではない。
しかし、それを読んでいる時間、とても快適に過ごせるんですヨ。
ああ、これはエンタテイメントだなあと思うんです。
プロの作品は、プロの技術でその時間が快適に過ごせるんだなあと思ったんですネ。
僕らは『エンタテイメント』というと、もっと感動とか刺激とか想像します。
だけれども、ほとんどのエンタテイメントは、こうした地味なもので十分ではないか、と。
エンタテイメントの機能は「ある時間帯を快適に過ごすことが出来る」というものとして定義すべきなんじゃないカナ、と。
ウェブサイトを顧客とのコミュニケーションの場所として考えたり、エンゲージメントを結ぶ場所として考えたとき、そこにエンタテイメント性を考えるわけですが、そんなに派手なくすぐり的なものはいらないんじゃないかな、と。
ウェブ上でエンタテイメントを展開することを考えていくとき、ウェブサイトに滞在する時間を快適に過ごすことが出来るという基準でプロのデザインと文章を取り入れていくのがポイントになるんじゃないかなあと愚考する次第です。
おそらく、そういう意識なく作っている、何気に不快な、そこまで行かなくても、何気に快適でない企業ウェブサイトが多い中で、さりげなく差がつく点になるだろうなあと思うんですヨ。
サイトにある、写真も文章もレイアウトも、それを見て過ごした時間は快適かどうか、という発想で考えるということですよね。
そして、そういう時間を作り出すことの出来るプロの技が尊重されるようになってくれればとも思うんですヨ。
今は、400字300円のヒトと、数千円以上のヒトも同じラインで競争している部分がありますからネ。とりあえず字を埋めているだけですからね。馬鹿げたハナシです。
でも、プロとアマチュアでは、創り出される快適さが全然違うんですヨ。
written by asotetsu Oct 25, 2007
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