ネット直販には未来があまりないという話
逆説的な話でも。あ、デザイン変えてみましたヨ。
インターネットの普及で、ネット直販が流行りですよね。特に単品直販。
今までの流通過程を省いて、コスト削減。生産者からダイレクトに消費者に。
ビジネス同士のBtoBでも、卸通さずメーカーとユーザーが直接取引。
これ、ホントにコスト削減になるのかな、てね。
既に名前が売れている、ブランディングが出来ている大手はいいんです。
お客さんが初めから選んでくれる。指名買いですよ。
でも、二流品はどうでしょう? ほとんどの製品は二流品でしょ?
ほかに、あんまり有名でない製品は? 特にBtoBなんかは?
世の中のほとんどの製品がソレなんです。つまり、有名なトコしか売れなくなるっていいことじゃない。
これが実店舗なら棚をうまく確保することで売れます。ところがネットでは売れない。
身近なところで不合理性が出てるなあと思うのは、ネットの広告手法あたり。
新しいもので面白いものがどんどん生まれているわけです。
ところが、どうもお客さんにめぐり合っていないんですヨ。
お客さんの広告担当者のほうは、何を選んでいいか分からなくなってる。
次から次へとよくわからない新商品が出てきて情報の波でおぼれそうになってる。
つまり、卸とか小売とか販売店や代理店という小売機能や商社機能を利用していた頃より不便になってるのですよ。
いまどきの流行モノを揃えて、ハイとラインナップにして見せる商品棚の機能ですね。
もちろん、ネット広告代理店とかありますよ。でも、直販の流れがあるので、お客さんはつい直販を探すクセが出来てしまっているでしょ?
しかも、マージンが低いんですよ。代理店として営業活動というコストとリスクかけて売りたくなるマージンというのは、50%以上ですよ。それなのに、20-30%なんてザラ。
しかも、今のジョーシキたるネット直販のおかげで、直販や他の販売代理店も入り乱れて流通チャネルは混乱、しかも、マージンは低い。
これじゃ、他社の製品背負って売るのは大変ですヨ。だから売るとこが少なくなってる。
他方、お客さんの側だって、全部自力で探さないといけなくなってる。
直販・直買というのは、無限の可能性があるようで、むしろ無限の手間と、出会う確率をひどく下げてるシロモノなんですヨ。卸とか商社ってそういうものの整理する機能があるんですヨ。
つまりボクらは、直販・直買で流通コストは確かに下げられたんです。
でも、出会いのコストは逆にものすごく上がってしまったんですヨ。
これでネット直販の未来がばら色なんて言えますかネ?
この状況を補完するいろいろな仕組みを考えないとアカンということでしょう。
まだ答えは出てないわけですけども。
まあ、そういうわけで、私たちのようなSEOファームが、検索エンジンを通じて、出会いのお手伝いをしていたりするわけですけどネ。
流通コストは無駄か?といえば、無駄ではないんですヨ。
確かに、ある局面の購買だけを考えれば、安くなるんです。
でも、それを皆がいつもやると、社会全体では逆に割高になるんです。
つまり、直販・直買は、かなりのケースで部分最適解なんですよ。
決して全体最適まで考えたものではないんです。
written by asotetsu Oct 23, 2007
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