コンテンツプロバイダーと読者との越えられない壁
さて。ブログの炎上=盛り上がり、という話を書きましたが、そのつづきで、ネットイナゴなんて存在しないよ、という強引な話を書いておりますが、そのつづき。
ネットのコメント欄や掲示板のスレに、いくら書き込んでもそこには何一つ付加価値は生み出せないし、世の中を動かすことは出来ないんです。
インターネットは通信の凄く進んだ形態で、何百キロ先のヒトの書き込みもPCの画面越しで目の前の出来事に感じられるんですネ。
このネットがあたりまえの時代で何がキーファクターか?
というと、少なくとも、情報を運ぶということはもはや大事じゃない。
これからは、コンテンツを作れるのがすごく重要な才能になってきます。
昔から言われている「コンテンツが王様」というヤツで平凡ですけどネ。
炎上しようとなんだろうと、ヒトの心を揺さぶるとか、盛り上がる種を作れることがものすごく重要な意味を持ちます。
何しろ、20世紀までの主要な問題であった、個々の人に情報を届けるというデリバリーの技術はインターネットによって劇的に解決してしまったので、あとはコンテンツそのものがキーファクターになったんですヨネ。
情報であれば物理的に目の前まで届けられるようになったので、あとはヒトの心の扉を開けられるか、という問題に移った、といえるわけです。
それで、このデリバリーの技術のおかげで、何百キロか先のコンテンツプロバイダーさん(個人も企業も含む意味で)からの情報が、自宅の目の前のPCの画面上で展開できるようになったわけデスネ。
すると、身近に感じるんですよネ。何しろ通信だし。目の前の画面に展開されているし。
でも、この身近さは、架空なんです。インターネットという情報通信技術に支えられた幻想です。
なぜか?
だって、それを見ているアナタは、コンテンツを作り出すことは出来ないから。
こんなに身近に感じられるようになったのに、コンテンツを作り出す側(コンテンツプロバイダー)と読者との間は、ものすごい断絶があるんです。越えられない壁なんです。
いやいや、インターネットは誰でもが情報発信できるじゃないか、と。
そんなことないんです。さっきも書きましたヨネ。
インターネットのおかげで、情報を届けることに関しては誰でも出来るようになったんです。
誰にでも出来ることは価値を生まないんです。
誰にでも出来ないことは何かというと、ヒトの心の扉を開けられること、なんです。
アナタはヒトの心の扉を開けることが出来るコンテンツを作り出すことが出来ますか? ということなんです。
普通はできません。才能が必要です。
だから、インターネットはこのコンテンツプロバイダーと読者との間の断絶を、その距離を身近に感じさせる癖に、越えられない壁を明らかにしてしまうんですナ。
ほとんどのヒトはPCの画面を越えられないんです。
コメント欄や掲示板のスレでつどっているように見えるのに、お互いに凄く断絶してる、というのが現実なんです。
皆、PCの画面に阻まれているんですヨ。
PCの画面は情報をくれる窓ですけど、現実に影響を与えようとしたときには、監獄の面会窓のような仕組みになっているんです。
written by asotetsu July 3, 2007
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