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Ad:tech07 San Franciscoにいってきました(3)

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アドテック(adtech)というデジタル広告のカンファランスが4/24から3日間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーンセンターで開かれているので行ってきた話です。参加したのははじめてでしたが、これ、すごくおもしろかったです。


では、前回の続きです。初日の基調講演が終わったところから。

このカンファランスは3会場あって、同時に進んでいくのでどれがいいか迷いどころ。
まず最初はBehavioral Targeting (BT)について聞いてみよということで。

The Path to One to One Marketing: The Evolution of Behavioral Targeting

10:45 行動マーケティング(BT)の革命

司会: Charles Buchwalter (Nielsen/NetRatings)
パネリスト: Gurbaksh Chahal (BlueLithium), Jeff Hrsch (Revenue Science), David Jacobs (Advertising.com), Matt Arkin (TACODA, Inc), Richard Frankel (Yahoo,Inc.)


Behavioral Targeting (行動マーケティング)の紹介のセミナー。TACODAとBlue LithiumとRevenue Scienceが行動マーケティングの調査会社。Yahooは利用している。

データマイニング手法として、従来は、ユーザ属性(年収、性別、趣味その他などのデモグラフィックデータ)から、そのユーザセグメントの行動をマーケッターが「推測」していた。しかし、これはマーケッターによるプロファイリングであり、データとってから推測して、プランニングするまでに時間がかなりかかってしまう欠点があった。この手法自体はオンライン特有のものでなくて通販に限らず実店舗で使っている手法である。

そこで、オンライン独自のデータを活用し、ユーザの行動をモニタリングしても、そこから次の行動を「予測」する行動マーケティングBehavioral Targeting(BT)は革新的だ、という説明。中身はほとんど売り込みであったが。その効果がすばらしいとやたら言うが、技術面は契約必要とか言ってるので詳細はよくわからない。

説明から合わせて推測するに、4000くらいのB2Cサイトを運営し、共通バナーとクッキーで、購買情報や閲覧情報を70くらいのキーファクターで集めていて、そちらからの行動特性や購買解析のほうが、従来の属性分析(デモグラフィック解析)よりも素早く解析でき、ユーザの行動推定では正確だ、ということの様子。問題は、解析データのベースが個人情報なので、そのため、パネリストも慎重に回答している。

ユーザが買う意思を示す前に、人々がすることを理解して予測する(predict)。そして、広告主は反応を推測して出稿する、と。ここのパネリストで出ているBT企業は、広告出稿の最適化を目的として、広告を載せるパブリッシャー側、広告代理店側、広告主側に対して、広告の有効性の測定ツールを提供している形。それを見て考えるのはお客さんの仕事らしい。


(コメント)
確かに、4000くらいのサイトから行動データを取得する仕組みはいったん構築するとメリット大きいなあ。実施における問題は、プライバシーポリシーとの兼ね合いですね。

少なくとも、ヤフーや楽天クラスの一社で大規模ショッピングモールを運営していれば、社内だけでもかなり情報が集められるし、行動属性に合わせて、プログラムを組めば、ターゲット広告をリアルタイムに出して誘導することも可能なわけで、ヤフーはそれをやってるということですね。ちなみに、解析には数学者が組んだデータマイニングプログラムが必要になるので、こいつに頼りだすのも実は問題であるような気がする。

ただし、BTが提供しているのは計測手法であり予測手法なので、あくまでこれを使いこなす顧客が必要ということ。ネット広告におけるここはMetric(測定方法)の分野でした。

司会(モデレーター)は、ネットレイティングスのシニアVPで、守秘のところは巧妙に避けてそれぞれのサービスの特徴をうまく引き出して、紹介するプロで感心。





続きます。


written by asotetsu June 18, 2007

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